“Medallion Signature Guarantee” をもらってきてください

最初に言われたのが20年以上前の日本在住時の話。

「は?何それ?」というくらいわからなくて、ググったけどさっぱりわからず。なんとなく米国では金融機関に問い合わせるとなんとかなりそう、というのはわかったけど詳細は全くわからず。日本に住む日本人の私たちには見当もつかなかった。

Computershare 米国証券会社口座の、結婚に伴う姓の変更を届け出るために、このメダリオン署名保証 (Medallion Signature Guarantee) が必要だと言われたのだ。

外資系企業に勤務していると自社株に投資をできるESPP (Employee Stock Purchase Program) というのがある。そのために開いていた米国証券口座。それの名前変更がこんなに面倒だったとは。そして、20年間以上そのままにしていた。

Medallion Signature Guarantee をBank of Americaにて対応

渡米後も面倒だし、やり方もわからないからW-9は提出して名前変更はそのままにしていた。しかし、ソーシャルセキュリティとの照合などの関係で旧姓のままだとよくないということになり本腰をあげることに。

メインバンクとして利用しているバンカメ (Bank of America) が口座を6ヶ月以上保有している人には無償でサービス提供してくれることがわかった。 幸いコロナの状況が変わり支店オフィスもオープンしているのでアポを取って手続き開始。

https://www.bankofamerica.com/signature-services/medallion-signature-guarantee/

必要書類

  • 証券会社提出フォーム: (重要! サインと日付はブランクにしておくこと)
  • 証券会社のステートメント: 最新
  • 英文婚姻証明書 (Marriage Certificate): 日本領事館などで取得した英文
  • 身分証明書: 運転免許証、パスポートなど

旧姓変更以外でもMedallion Signature Guaranteeが必要になるケースもあり、それごとに必要書類は異なるので、それらについてはMedallionを押印してもらう機関に要確認。

手続きの流れ

  1. Bank of AmericaのMedallion Signature Guaranteeのページを開く https://www.bankofamerica.com/signature-services/medallion-signature-guarantee/
  2. スクロールダウンしてメダリオンが必要な理由を選択する
    Medallion Signature Guarantee Reason
  3. Schedule an appointmentボタンが表示されるのでクリックして次に進む
  4. ZIPコードを入れて訪問したい店舗を選択する
    できるだけSpecialitiesにMerrill Lynchがあり、大きめの店舗を選択しておいた方がその店舗で完結できるので都合が良い
  5. 必要事項を記入して希望時間に予約する
  6. 予約時間に訪問
  7. 書類を提出
    結婚や離婚に伴う名前変更の場合、旧姓と新姓が証明された結婚証明書が必要
  8. 行員立会いのもと提出フォームにサインと日付を記入
  9. 窓口担当がケース申請
  10. 申請フォームを含めて全書類一時返却
  11. 数時間後に承認 (もしくは書類不足の場合否認) のメール受領
  12. バンカメに提出フォームを持って再訪問
  13. Medallion Signature Guaranteeの押印

最初のアポを午前中など早めの時間にしておけば、再訪する必要はあるけれども1日で作業は完了できます。

Medallionスタンプを押印可能な人がいるバンカメ支店は限られているようなので事前に電話で確認するか、近くのバンカメに訪問して確認しておくといいと思います。店頭で予約をしてもらうこともできますよ。

書類には以下のような緑色のスタンプが押印されます。エンボスシールなどは不要な代わりに特殊な緑色のインクが採用されていて、このインクは支店での補充はできないことからインク切れの際にはセンターに送って対応してもらうそうです。

Medallion Signature Guarantee Sample
Medallion Signature Guarantee (sample image)

そもそもMedallion Signature Guaranteeって?

米国ではビジネスを始める場合などにもNotaryという公証人による署名サービスが必要になったりしますが、米国の証券会社アセットの譲渡や名義変更などの際にはMedallion Signature Guaranteeというのが常に使われるようです。

Notary Publicなどは窓口担当とのやりとりですぐに手続きを終えられるのですが、Medallion Signature Guaranteeは窓口担当による書類の確認のあと、センターにいるMedallion担当が改めて書類を確認して可否の判断をし、その後スタンプを押印することができます。取り扱うものが金融資産であるからより慎重な手続きによる本人確認が行われているのだろう、と理解しています。

まずは金融機関に問い合わせ

結果的に20年以上そのままにし、また渡米後も5年ほどわからなくてそのままにしてしまった口座の名前変更。米国在住であれば少し時間はかかるけれど対応可能なことはわかったので、渡米した人で旧姓で米国証券会社などの口座を持っている人は口座の会社に問い合わせて変更の方法を確認することをオススメします。そしてMedallion Signature Guaranteeが必要であれば、保有金融口座の窓口で対応可能か問い合わせることををオススメします。

日本在住の場合は私もわからないのですが、まず旧CITI Bankの三井住友信託銀行か、ユニオンバンクを扱っている三菱UFJ銀行に問い合わせてみるのがいいかもしれません。その二行が対応できないとなると別の公証スタンプで対応可能かどうかを確認する方がいいかもしれません。

当時は見つけられなかったけど、今調べてみたらIWC Probate Serviceが海外在住者向けにサービスを提供しているみたいです。Computershareにもいくつか記載があり、IWCでのディスカウントについても書いていますね。

後日談

実はこれ、3月に完了したと思ってたんだけど書類がちゃんと届かなかったのか、異なる場所に届いたかの理由で処理がされていなかったのです。

5月ごろに証券会社に問い合わせをしたところ書類は届いておらず、手続きもされておらず、そもそも書類が誤っていた可能性もあるのですが、それは置いといて再手続きとなりました。

そして再手続きをしたら、まったく同じ書類を用意したのにバンカメ内部手続きで今度は却下をくらったのですね。理由は出生証明 (Birth Certificate) に旧姓が記載されていないから。

日本領事館で発行される出生証明は、結婚後に申請した場合、あらかじめ旧姓の記入を伝えないと結婚後の性しか記されないのです。そもそも出生証明って出生時の姓名で記されるべきじゃないの?という気もするのですが、日本領事館は戸籍謄本に両親の名前が記載されていても結婚後の名前でしか英文を出せないらしくそれにハマりました。

そして、さらに英文出生証明を取得しようとすると今度は3ヶ月以内の戸籍謄本が必要とのこと。もう期限すぎてるし…というわけで…

  1. 一時帰国時に戸籍謄本 (全部事項証明書) を取得
  2. 米国に戻ったあと日本領事館にて英文出生証明書を旧姓も含めて発行してもらうように申請
  3. バンカメに再訪問し、全書類を改めて整えてメダリオンの手続き
  4. Certified Mailにて書類を証券会社に郵送
  5. 証券会社にて手続き

の流れで無事完了しました。

メダリオンもややこしいけど、日本領事館も融通きかせて欲しかったなぁ。日本国のお役所仕事は硬すぎて仕方ないですね。

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