アメリカでの家賃契約は基本一年単位となる。そして、市場価格に合わせて毎年値段が変わり、居住地域の物件相場は上昇傾向が続いているので、基本的には増加する。
目次
契約更新の通知
私の賃貸物件は60日前通知であり、3月中旬契約のため、12月末に更新後の改定家賃の案内が届いた。
月々の家賃増加分: 187ドル
年間 2,244ドルの負担増ということになる。これが安いかどうかは個人差があると思うし、そもそも元の家賃はいくらなの?という質問があると思うが、そこは割愛。
アメリカ物件の広い家!というわけではなく、大型集合住宅(でもアパートと呼ぶ)で、驚くくらい家賃は高いが、引越し費用や条件のより物件を見つけるのはそれまた困難。よって、基本的にはこのまま住みたいのであるが、増加した家賃をそのまま受け入れるわけにもいかないので、家賃交渉となるわけであるが、さてどのようにしたものか。
あらためて、居住アパートは日本の数部屋のようなものではなく、全体で何百もある日本でいうところの大型集合マンションである。家賃交渉はリーシングオフィス(契約事務所兼サービス事務所)にて行う。
戦略
さて、どのようにして交渉するのが良いだろう。
- メンテナンス記録の整理
- 幸いポータルがあり、メンテナンスはすべてそこで確認できるので、記録を印刷し、ポイントとなる部分にハイライトやコメントを入れ持参
- 本来くるはずのスケジュールメンテナンスが連絡なしキャンセルされ、何度も依頼してようやく解決した点
- 害虫が頻繁に発生し、何度も殺虫剤対応してもらった点
- トイレやバスルームにて漏水があり一度で解決されず、加えて何度も放水された点
- 公共料金
- 結構月々の料金や利用料のピークなど不明な部分があるので、それも印刷して持参
- 会話
- この施設はとてもいいね!というポジティブから入り、マイナス点からはじめない
- とりあえず褒める
- 事務所の人々が親切でとても助かっていることも強調
- 基本的にはまだいつづけたいんだよねということをしつこいくらい言う
- そのあと増加分が多すぎて困っているんだよねと話をはじめる
- とってもいいんだけど、事実としてメンテナンスでの対応もいくつかあるし、増加率も大きいので検討してくれないかと相談する
実践
2017年1月4日 – まず最初の会話
昨年契約してくれた時の担当と会話したい、と事務所にいくとなんと、その人はもういないとのこと。よく会話もしていたし、会話しやすかったのに、初っ端から想定外の出来事。
その場で気を取り直し、会話をした担当と会話することに。
計画通りの会話で進めて、実際に「では資料も含めて持ち帰って24時間程度で連絡するね」ということで会話は終了。正味10分くらい。
2017年1月6日 – メールにて連絡そして返答
月々の家賃増加分: 187ドル → 165ドル
メールでの一報あり。簡単にまとめると以下。
Hi [父の名前]
「市場調査による相場からすると現在提案の家賃 (つまり+187USD) は良いオファーである。とはいいつつも、継続滞在してほしいレジデントであり、サービスヒストリーの状況も理解できるし、特に害虫被害は僕も不快に思うのでよくわかる。よって、165ドルの増加を改めて提案したいと思う。」
なぜか宛先が私の父の名前になっていて、本文には家賃を再検討してくれた金額が含まれていた。初期交渉にて月22ドル分の減額交渉成立。
さて
あらためて交渉。メールで返答。名前を間違えたのは、気にしなくてもいいよ、といいつつも気持ち値段をすごし下げてくれることを期待しつつ。
「ありがとう!とても助かるよ!だけど、私たちは増加率は x % 程度を許容範囲として考えていたんだ。今の提案は z % でまだギャップがある。水道メンテナンスの件もあるし、もう少し検討してくれないかい?
あと、そうだ。全然気にしていないし、外国人の名前は難しいのはよくわかるけど、僕の名前は [父親の名前] ではなくて [TAKA] だよ。多分、保証人の名前を拾ったんだね。」
2017年1月7日 – 再びメール連絡
月々の家賃増加分: 187ドル → 165ドル → 155 ドル
メール連絡あり
「名前間違えて申し訳ない。連絡もらった件だけど、残念ながら x % 増加までは持って行けないが、最終提案価格として 155 ドルの増加までできるよ。これでどうだい?是非、継続滞在してもらいたいけど、市場価格を考えるとこれ以上の金額調整は難しいよ。どうだろう、改めて検討してくれないかい。
そうだ、カーペットのクリーニングを無料サービスでつけられるから、それも踏まえて検討してくれるかい。」
さて、最終提案価格と言われたけど、もう一度チャレンジしてみることに。そして、自分の名前を間違えたことを伝えたけど、私自身が担当者の名前をミススペルしていたことも自分で気づいてしまった!ということで。
「僕の名前のことは気にしなくていいよ。それより、こちらこそ申し訳ない。君の名前を [E] としてしまったが、本当は [A] だったね。名前に関してはこれで 50/50 だね。
どうだろう、ここはイーブンとして最後、25ドル増加分を調整してくれないかい?そうすると家賃の末尾も50になるし (つまりこの時点での月々家賃末尾は75)、この50/50にちなんでるよね!加えて、今の家賃は ODD Number (奇数) になってて、あまり好きじゃないから、この調整で EVEN Number (偶数) にもなるし、良いことだらけだ。対応してくれればいつでもリーシングオフィスに行って契約するよ。」
実はこのメールで、25ドル分の調整はでて来ないということも想定し、でも少しでも落としてもらえることを期待しての文面を構成していた。
2017年1月8日 – 改めてメール連絡
メール受信
「前のメールで伝えた通り、すでに市場価格よりも良い提案額になっているし、そのディスカウントはできない。本当の本当の最終価格として、150ドルの増加を提案するよ。是非、このまま継続滞在して欲しいけど、もう、これ以上は下げられない。」
もうここが限界かなと判断。ということで、
「[A]、ありがとう。これで契約更新するよ。どのような手続きをしたらいいか、連絡くれるかい?
あとカーペットのクリーニングもどのような流れになるか連絡くれるかい。」
もちろん、一つ前のカーペットクリーニング無料サービスについては抜かりなく。
契約更新
月々の家賃増加分: 187ドル → 165ドル → 155 ドル → 150ドル
年間家賃負担増: 2,244ドル → 1,800ドル
オンラインのフォームにて再契約。その後メールでやりとりし、カーペットクリーニングの方法も確認。
さて、また一年後に契約更新があると思うと、毎年毎年の家賃増加をできるだけ抑えるのが重要だなと改めて認識。何事も交渉ごとですね、この国。